▼少子化対策基本法と「新しい少子化対策について」

少子化対策基本法と「少子化社会白書」

http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/index-w.html
少子化社会白書」とは少子化社会対策基本法に基づき、政府が毎年国会に提出しなければならないとされているもの。


ここでは、少子化の克服、少子化傾向への歯止め、そのことについての是非については問わない。また、主に少子化の原因認識や対策の柱の変遷についての拾い読み


2004年度:少子化の原因

http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2004/html-h/index.html
2004年度報告は少子化の原因の背景について網羅的に列挙してあり、それは概ね的を射たものと思われる。少なくとも私に違和感はあまり感じられなかった。

 第1節 少子化の原因
   1 晩婚化・未婚化の進展
    (未婚率の上昇)
    (晩婚化の進展)
    (独身者の結婚意思)
〔結婚したくない・しないではなく「できない」という回答が多い〕
    (婚外子割合の国際比較)
    (妊娠・出産と結婚との関係)
   2 夫婦の出生力の低下
  第2節 少子化の原因の背景
   1 仕事と子育てを両立できる環境整備の遅れや高学歴化
    (働く女性の増大)
    (出産・育児と仕事の両立)
    (高学歴化)
   2 結婚・出産に対する価値観の変化
    (1)結婚に関する価値観
     (結婚に対する意識の変化)
「これまで社会的規範意識としてあった一定年齢に達したら結婚するという考え方は減少し、……結婚に対する意識が、個人的な理由に基づくものへと変化してきた」
     (結婚することの利点)
     (結婚は、選択肢のひとつ)
    (2)子どもの存在に関する価値観
     (子どもを持つことの価値観)
     (子どもを持つことの価値観の変化)
国立社会保障・人口問題研究所の調査では「結婚したら子どもを持つべきか」という設問への回答を見ると、賛成と答える人は、10年前と比較をして約14ポイント低下する一方で、「反対」と答える人の割合が倍増している。
     (家庭を築くことや生命を継承していくことの大切さ)が理解されていないのではないかという「指摘がある」
     (子どもを持ってよかったこと)
   3 子育てに対する負担感の増大
    (理想子ども数と実際の子ども数の差)
    (理想の子ども数を持たない理由)……以下の3点
    (その1)育児・教育費用負担の重さ
     (子育て費用負担)
     (教育費用負担)
    (その2)就業と家庭のバランス
     (ワーク・アンド・ファミリーバランス)
     (家事・育児にかける時間)
    (その3)家庭や地域の子育て力
     (育児に対する孤立感や疲労感、自信の喪失)
     (家庭や地域の子育て力の低下)
     (シニア世代の役割)
     (地域社会のネットワーク)
   4 経済的不安定の増大等
    (若者の失業率の上昇と親と同居する子ども)
経済的不安定が未婚にとどまらせている一方、親に庇護されて自らの生活をのみ楽しんでいるのではないかという「指摘がある」
    (経済的に不安定な若者の増大)
    (増大する若者の一時就業)
    (低い賃金収入)
    (いわゆるパラサイトシングルについて)
    (親と同居する未婚者の実態)
    (親と同居する未婚者と少子化との関係)
親と同居して費用・家事負担が軽くて自立したくない者がいるのではないか、ということについては否定はできないだろう。

少子化対策

こうしたことから、少子化対策について

などが挙げられている。(2004年6月閣議決定少子化社会対策大綱」)

その下の「少子化社会対策の経緯について」という年表は1990年の「1.57ショック」から2004年までのそれが載っていて興味深い。

2005年:2004年までのエンゼルプラン・新エンゼルプランは不十分だった

http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2005/17WebHonpen/index.html
2005年の白書は少子化に歯止めがかかっていないのは、エンゼルプラン・新エンゼルプランが少子化対策としては不十分だったとして、次のように総括している。

エンゼルプランや新エンゼルプラン等によりこれまでとられた対策では、少子化の流れを変えるには不十分であったことを意味している。その背景には、次のような点があるものと考えられる。
〔1〕子育て期にある30歳代男性の4人に1人は週60時間以上就業しているなど、育児期に子どもに向き合う十分な時間を持つことができない働き方となっており、依然として子育ての負担が女性に集中する結果となっていること。また、育児休業制度など子育てと就業の両立を目指した諸制度も十分な活用が進んでいないこと。
〔2〕地域によっては保育所待機児童がいまだ存在しており、また地域共同体の機能が薄れつつある中で、一時保育や地域子育て支援センターなど地域の子育てを支えるサービスが地域において十分に行き渡った状況にはなっておらず、孤立した状態で子育てをしている場合があること。
〔3〕無職や雇用の不安定な若者が増加するなど、若者が社会的に自立し、家庭を築き、子どもを生み育てることが難しい社会経済状況となっていること。

 こうした状況のために、国民が子どもを生み育てやすい環境整備が進んだという実感を持つことができていないものと考えられる。


そうして、再度「少子化対策大綱」を詳論している。四つの重点課題である。

①若者の自立とたくましい子どもの育ち
  • 「若者が意欲をもって就業し、経済的にも自立できるよう」支援する(大まかな数値目標もある)
  • 「教育を受ける意欲と能力のある学生が経済的理由で修学を断念することがないように」金を貸す(このことの検討は別の機会に)
  • 体験

子どもが自立した若者へと成長していくためには、自然や人と直接ふれあうことによって、心豊かにたくましく育ち、生活や社会、自然とのかかわりを学び生きる力を発揮できるようにすることが重要である。そのため、各種体験活動の機会を充実させ多くの子どもが様々な体験を持つことができ、また、確かな学力や豊かな人間性などの生きる力をはぐくむことができる学校教育を推進していくことを目指している。

また、体験ですかいな! もぉ、オヤジの口ぐせみたいでんな。

②仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し

 「結婚や出産をためらわせる障壁を極力取り除き、子育ての不安や負担を軽減するため、結婚や出産、子育てをしやすい環境整備を進めることとあわせ、職場優先の風土を是正する働き方の見直しを課題とし、家族の時間や私的活動の時間を大切にできる職場風土をつくることが求められている。」

③生命の大切さ、家庭の役割等についての理解

「人々が自由や気楽さを望むあまり、家庭を築くことや生命を継承していくことの大切さへの意識が失われつつあるとの指摘もある。学校教育や地域社会など様々な社会とのかかわりの中で子育ての楽しさを実感し、自らの生命を次代に伝えはぐくんでいくことや、家庭を築くことの大切さの理解を深めることが求められている。
 このため、保育所、児童館、保健センターにおいて中・高校生が乳幼児とふれあう機会提供を拡大することや、生命の大切さや家庭の役割等に関する学校教育の充実、地域住民や関係者が参加して子育て支援についてともに考えるフォーラム等を全市町村で実施することとしている。」

④子育ての新たな支え合いと連帯

「子育ては次代の担い手を育成する営みであるという観点から、子どもの価値を社会全体で共有し、子育て家庭が安心と喜びをもって子育てに当たれるよう社会全体で支援することが求められている。」
支援センターの実施箇所を拡大、待機児童ゼロ作戦をさらに展開、虐待防止ネットワークを2009年度までに全市町村で整備、周産期医療ネットワークや小児医療体制の整備を推進などなど。

2006年:少子化対策の転換

http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/index.html

3 少子化の原因とその背景
(未婚化の進行)
「晩婚化・晩産化の進行、夫婦が持つ子どもの数の減少が少子化の直接の原因であるが、これらに加えて、なかなか結婚しない若者が増加しているという未婚化の進行が、少子化の大きな原因となっている。」
少子化の原因の背景にあるもの)
「たとえば、なかなか若者が結婚しない未婚化の進行の背景には、よい相手にめぐり合えないこと、独身生活に利点があること、結婚や結婚後の生活の資金がないこと、雇用が不安定であるため将来の生活設計が立てられないこと、結婚すると仕事と家庭・育児の両立が困難となること、結婚をしなければならないという社会規範がなくなったことなどがあげられる。」
「また、結婚してからの子どもの数が減少傾向にあることの要因としては、仕事と子育ての両立の負担が重いこと、育児や教育にかかる費用が重いこと、妻の精神的・身体的負担の増大、夫の育児・家事の不参加、出産・子育てによる機会費用(出産・子育てにより仕事をやめた場合に失われることとなる収入)の増大等があげられる。」

未婚化進行の背景として挙げられている6つの例のうち、最初と最後以外の4つが経済的理由であるし、結婚後の子どもが少ないことの理由として挙げられている5つのうち妻の負担・夫の家事不参加を非経済的なこととして考えても3つは経済的な理由である。
ところが、「このように少子化の原因の背景にある要因には様々なものがあり」だから、「子育て世代のニーズを踏まえつつ、総合的に政策を展開していく必要がある。」
という。
この記事の下に「未婚化の原因についてのアンケート結果」が掲げてあり、次のようになっている。

  1. 結婚に関する価値観の変化 67.6%
  2. 独身生活が快適 54.2%
  3. 経済的な不安がある 47.0%
  4. 仕事と家庭の両立に不安がある 40.9%
  5. 男女の出会いの場が少ない 22.1%
  6. 仕事が忙しい 17.3%

経済的な理由が半分以下であるかのような結果だが、調査対象は小泉内閣メールマガジンの読者らしい。回答者の年齢層や既婚・未婚もわからない。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1113200.html

新しい少子化対策

少子化社会対策推進会議への専門委員会の報告 2006年5月

2005年10月「少子化社会対策推進会議」(主宰:内閣官房長官、構成員:内閣官房長官内閣府特命担当大臣少子化男女共同参画)、総務大臣文部科学大臣厚生労働大臣経済産業大臣国土交通大臣有識者8名)が設置され、その専門委員会が2006(平成18)年5月、それまでの議論を報告書(「これからの少子化対策について」)として取りまとめ、推進会議に報告した。

今後の少子化対策の基本的考え方としては、

  1. 子どもの視点に立った対策が必要
  2. 子育て家庭を社会全体で支援する体制が必要
  3. ワーク・ライフ・バランスの実現や男女共同参画の推進が必要
  4. 家族政策という観点から少子化対策を推進することが必要、

という4つの視点を掲げている。
具体的な対応策としては、……

  • 「地域や家族の多様な子育て支援」の分野では、地域の子育て支援拠点の拡充や人材の育成、子育て支援のためのネットワークの整備、待機児童ゼロ作戦の推進等の保育サービスの拡充、放課後児童対策の充実、小児科医や産科医の確保、
  • 「働き方に関わる施策」の分野では、育児休業の取得促進等勤労者に対する子育て支援、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)に基づく働き方の実現や、女性の再就職等の支援策の推進、非正規労働者に対する処遇の改善、
  • 「経済的支援」の分野では、妊娠・出産における負担の軽減、子育て費用の負担軽減、経済的支援やサービス拡充に関する財源について、それぞれ提言をしている。

http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1212100.html

なお、「家族・地域の絆再生」政務官会議プロジェクトチームというものはすでに2006年2月から発足しているらしい。「中間とりまとめ」以後の発表は今のところない。
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2006/0516seimukan_pt.html

少子化担当大臣と地方自治体トップのブロック会合 〜2006年4月

少子化担当大臣と地方自治体トップのブロック会合」(大臣行脚)を行うこととし、2005年12月に熊本県で開催された九州ブロック会合を皮切りに、2006年4月の東京都で開催された東京ブロック会合まで、全国10のブロックにおいて開催された。

特に強い要望としては、次のようなものがあった。〔1〕妊娠・出産期の経済的支援、〔2〕周産期、乳幼児医療の充実のための制度的、財政的支援、〔3〕若い子育て世帯に対する税制や給付などの経済的支援、〔4〕地域における多様な子育てサービスの充実のための財政的支援、〔5〕放課後の児童対策の充実、〔6〕教育費用の負担軽減、〔7〕企業における子育て支援推進のための税制上の支援、〔8〕育児休業の利用促進、再就職支援、〔9〕若者の就労支援、〔10〕家族の敬愛、結婚の意識啓発。

ここでも社会規範・社会意識にかかわる「要望」は1つだけである。

政府・与党協議会の検討と新しい少子化対策の決定 2006年6月

2006年3月、「少子化対策に関する政府・与党協議会」が設置され、さらにその下に、小委員会が設置された。そして、2006年6月14日、小委員会において「新しい少子化対策について(案)」がまとまり、同月20日に開催された政府・与党協議会の合意を得て、同日開催の少子化社会対策会議において「新しい少子化対策について」(以下、本章では「新しい少子化対策」という。)が決定された。

少子化対策の転換

そうして、「平成18年版 少子化社会白書」は「新しい少子化対策について」を延々と紹介する。

第2節 新しい少子化対策の概要と今後の取組の方向
1 新しい少子化対策の視点
(新しい少子化対策の特徴)
新しい少子化対策は、少子化対策の抜本的な拡充、強化、転換を図るため、
〔1〕社会全体の意識改革と、
〔2〕子どもと家族を大切にする観点からの施策の拡充
という2点を重視し、後述するとおり新たな視点を整理した上で、40項目にわたる具体的な施策を掲げている。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1221100.html

少子化の状況及びこれまでの少子化対策に対する認識として、……1990年代半ばからの従来の対策のみでは、少子化の流れを変えることができなかったことを深刻に受け止める必要がある……
 そして、出生率の低下傾向の反転に向け、少子化の背景にある社会意識を問い直し、家族の重要性の再認識を促し、また若い世代の不安感の原因に総合的に対応するため、少子化対策の抜本的な拡充、強化、転換を図っていかなければならない。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1221200.html

総合的な少子化対策を進める上で、生命を次代に伝え育んでいくことや家族の大切さが理解されることが重要であり、子どもを家族が育み、家族を地域社会が支えるような社会であってこそ、出生率向上のための各種支援策が効果を発揮する。家族の絆や地域の絆を強化するために、国、地方自治体、企業、地域社会等が連携の下で社会全体の意識改革に取り組むことが重要である。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1221300.html

前述した(ここでは省略)子育て支援策及び働き方の改革における具体的な支援施策の強化、拡充にあわせ、長期的な視点に立って社会の意識改革を促すため、家族・地域の絆を再生する国民運動、社会全体で子どもや生命を大切にする運動といった国民運動を展開する。家族・地域の絆を再生する国民運動については、「家族の日」や「家族の週間」の制定、家族・地域の絆に関する国、地方自治体による行事の開催、働き方の見直しについての労使の意識改革を促す国民運動を(「新しい少子化対策について」は)掲げている。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1222500.html

こうして、「家庭(家族)の絆、地域の絆」が登場してくる。これは少子化対策として意識改革・「絆」が出てくるのは、初めてなのかどうか知らないけれど、第一の柱に立てられるのが異様である。

「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(基本方針2006)(2006年7月7日閣議決定)(も……)第4章の「安全・安心の確保と柔軟で多様な社会の実現」の中で、……妊娠・出産から高校・大学生時まで子どもの成長に応じた総合的な子育て支援策と働き方の改革を推進する、社会の意識改革を進めるため、家族・地域の絆を再生する国民運動を展開する、と明記している。

http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1223100.html

「意識改革」が企業で働く労働者を、非人間的な労働から少しでも解放し、安心して結婚・子育てできる環境を政府・企業・地方が整えていくというのなら賛成できる。また確かにそういうことも述べられてはいる。

第2節 社会全体の意識改革のための今後の取組
……社会全体の意識改革を促す施策について説明する。これらの取組を国、地方自治体、企業、住民団体等が一体となって推進していくことにより、子どもを持つことの喜び、妊産婦に対するいたわり、子育て家庭に対する支援と協力、家族の持つ価値の重要性、地域社会の連帯感等をみんなで共有し、子育て支援策の充実や働き方の改革とあいまって、誰もが子どもを生み育てやすいと感じることができるような社会への変革が期待される。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1520000.html

まだまだモデラートな感じである。

出生率の向上のためには、様々な施策を組み合わせて総合的に推進する必要があるが、子どもを家族が育み、家族を地域社会が支えるという社会であってこそ、こうした各種支援策が効果を発揮することから、家族の絆や地域の絆を強化するため、国、地方自治体、企業、地域社会等が連携の下で社会全体の意識改革に取り組むことが重要であるとしている。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1521000.html

家族・地域の絆を再生する国民運動の具体的な施策として、〔1〕「家族の日」や「家族の週間」を制定し、家族での団らんの機会や町内会等での行事に参加するなど、家族や地域の人々が相互の絆をより深める機会を設けること4、〔2〕家族・地域の絆に関する国、地方自治体による行事を開催し、各種事例の表彰や家族や生命の継承の重要性、結婚・出産の意義等の啓発を行うこと、〔3〕働き方の見直しについて労使の意識改革を促す国民運動を実施し、「仕事と生活の調和」の実現を目指すこと、などを掲げている。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2006/18webhonpen/html/i1522000.html

独身者・子無し家庭を排除する運動としての「意識改革」はどうやらここでは提唱されていなさそうであるので、これ以上の追跡はやめておこう。
それにしても、「結婚すべきであるという社会規範が薄れている」ということを、少子化の原因として「社会学」的に述べることと、政策のための分析として述べることとは違うことである。白書は少子化対策の視野の中に「結婚すべきである」という規範意識を持ち込もうとしているようである。
また、直近の引用にある、「家族や生命の継承の重要性、結婚・出産の意義等の啓発」は少子化社会対策基本法にも謳われている「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではある……」に始まる結婚観・家族観に基づく少子化対策とはもはや異質なものではあるまいか。

もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、こうした事態に直面して、家庭や子育てに夢を持ち、かつ、次代の社会を担う子どもを安心して生み、育てることができる環境を整備し、子どもがひとしく心身ともに健やかに育ち、子どもを生み、育てる者が真に誇りと喜びを感じることのできる社会を実現し、少子化の進展に歯止めをかけることが、今、我らに、強く求められている。生命を尊び、豊かで安心して暮らすことのできる社会の実現に向け、新たな一歩を踏み出すことは、我らに課せられている喫緊の課題である。
少子化社会対策基本法前文」

参考:http://d.hatena.ne.jp/ost_heckom/20070122/p1