▼少子化の要因と、少子化克服と価値意識

第1回「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議
1.日時  平成19年2月9日(金)17:10〜18:00
2.場所  内閣総理大臣官邸 2階小ホール
http://www8.cao.go.jp/shoushi/kaigi/ouen/k_1/gijiyoushi.html

2055年には50歳代の約4割の世帯が単身で子どもがいない世帯になる

社会保障審議会「人口構造の変化に関する特別部会」

○薄井厚生労働省政策統括官
 将来推計人口は、国立社会保障・人口問題研究所で国勢調査等のデータに基づき、概ね5年ごとに行っている。
 昨年12月の新人口推計では、出生や死亡に関するトレンドを将来に反映する形で2055年までの50年間の人口を推計している。人口を推計する仮定として、中位推計では、合計特殊出生率について、非婚化・晩婚化の進行により、平成14年推計の2050年時点の1.39からさらに低下し、2055年で 1.26という仮定を置いている。平均寿命は、2055年にはさらに伸び、男性で83歳強、女性で90歳強という仮定を置いている。
 この仮定に基づく推計の結果、2055年には、総人口は8,993万人、65歳以上の老年人口が4割を超えるということで、更なる人口減少、少子高齢化が進む見通しである。
 ……仮に各種の壁が取り除かれ、国民の希望が実現した場合の将来人口の姿について試算をするとともに、結婚、出生に関する国民の希望と実態との乖離を解消するために何が有効か、社会保障審議会に「人口構造の変化に関する特別部会」を設置し議論した。
 その部会の議論のポイントとして、……地域、世帯構成といった姿について、2055年には50歳代の約4割の世帯が単身で子どもがいない世帯になると見込まれるなど、生活の状況も大きく変化するという指摘があった。

これはひどい(?)。ほんまか。それまで治安は持つのか?
まあ、それは置いておいて、確かに子どもを設けるというのは通常は意識的な営みであって、そこには価値的な判断が介在せざるを得ない。子どもを産むのは吹き出物が出るのとは違うのだから。

価値

子どものを産む価値を再認識することが「必要」

安倍内閣総理大臣
 子どもは国の宝である。すべての国民が、自らが望むように、安心して結婚し、子どもを生み育てることができる日本としなければならない。同時に、子どもを育む家族の素晴らしさや価値を再認識することも必要である。

少子化は戦後価値批判の神の声/カネもくれ

○池田委員(池田守男 株式会社資生堂相談役(日本経済団体連合会少子化対策委員会委員長、日本商工会議所特別顧問))
 日本経団連少子化対策委員会委員長を務めている。
 少子化という現象は、戦後築き上げてきた社会構造や価値観といったものをもう一度見直すべきという声であり、人間の根源にかかわることを指摘されている気がする。
 ワーク・ライフ・バランスの実現を目指して行くには、確かにコストアップにつながることも多いが、コストという意識ではなく、将来への投資というような位置づけで考えない限り、企業はやはり取り組めないのではないかと思う。こういう取組について、経済的、財政的な支援もいただきたいと思うと同時に、税制的なインセンティブもより必要になるのではないか。

慎重論

○清原委員(清原慶子 三鷹市長)
……結婚観や家族観、夫婦観は個人的な価値観が大きく影響するため、行政がどのぐらいかかわれるのか、かかわれるとしたらどのような留意点が必要なのかが問われている。

少子化の要因

不安定雇用が少子化要因

○古賀委員(古賀伸明 日本労働組合総連合会事務局長)
 働く現場の実態をみると、働き方の現在の二極化の解消、そして男女双方の仕事と生活の調和の実現が切り離せない問題だと思っている。働く現場では、極論すれば長時間労働の正社員か、不安定な非正規雇用かという二者択一、その間の働き方の選択肢がないというのが実態である。特に雇用形態に応じて所得の格差がある、あるいは安定した雇用機会等がなかなか見いだせない方たちが増えている。この不安定な雇用形態という増加が少子化の要因となっていると思う。

○○っても労働者というところか。

○冬柴国土交通大臣
 ……結婚を阻んでいる要因は、……家賃が高いからである。私は、……若い所得の少ない人も、結婚して住む家を公的に支援する、家賃補助するということは非常に大切であり、早く結婚すれば2人、3人、4人と子どもを生む確率も高くなると思う。その点もぜひ検討いただきたい。

良いコトを言う。

○吉川委員(吉川 洋 東京大学大学院経済学研究科教授)
 もとより家族、規制、人口といった問題は経済だけで決まるものではなく、新しい価値観やその他違った次元の問題がたくさんあるが、経済の影響というものも非常に大きな影響を与えている。20世紀初め頃までは、婚姻数は景気の動きを最も敏感に反映する一つの指標であった。