▼高齢者の経済生活について勉強

住民税の課税計算の根拠//収入と所得は違う


前年中の年金収入
公的年金
控除額
前年中の年金所得金額
所得控除
〔扶養控除・社会保険料控除・基礎控除等〕
課税所得金額

つまり、

年金収入=公的年金控除額+所得控除+課税所得金額

課税所得金額=年金収入−(公的年金控除額+所得控除)

ということ。

日付は前後するが、例えば
http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2006080800028&genre=A2&area=K10&mp=

京都新聞 2006年8月8日(火)

老年者控除廃止問い合わせ、激増 京都市区役所

 住民税の老年者控除などの廃止に伴い、京都市の区役所(支所含む)窓口を問い合わせに訪れた年金受給者らが、6月後半の半月間で計1万4251人に上ったことが、7日の市議会財政総務委員会で明らかになった。市は「正確な集計はないが、前年度の1・5倍から2倍になった」としている。
 今年4月の改正地方税法の施行で、個人住民税の老年者控除と非課税措置が廃止、公的年金等控除が縮小された。課税対象者は4万人近く増え、市の試算では最大7・4倍になるとの見通しを示している。
 市が、納付書が配達された6月12日から納付期限の同30日まで、市内14の区役所・支所の来所者を調べたところ、1日平均で950人が訪れていた。最も多かったのは伏見区役所の1543人。右京区役所の1495人、山科区役所1329人が続いた。
 主な問い合わせ内容は「税額が高いが、間違いではないか」「制度改正の説明を」「減額制度はないか」で、訪れた人の大半は65歳以上のお年寄りだったという。理財局は「混雑が予想され、初めて窓口整理員を置いた。現役世代だけでなく、高齢者にも負担をいただけるよう説明に努めた」としている。

老人の経済生活はどうなっているのか?

どうなっているの?


京都市民の住民税はこちら、京都市理財局
http://www.city.kyoto.jp/rizai/zei/kojin.html

1.課税対象となる所得とは……年金だけの場合

 所得控除には老齢者控除、扶養控除、社会保険料控除、基礎控除などがあります。それぞれの控除が廃止・縮小されれば課税所得金額が増えるという仕組みです。
 基礎控除は33万円です。京都市では所得金額が35万円までは住民税非課税です。配偶者の所得や障害により配偶者控除が受けられます。33万円〜68万円。
また、生活保護の保護費は詳細不明ですが、東京単身18歳男性で毎月14万円強(住宅扶助含む、2002年)です。
 それぞれの控除やその額は18年度からどのように変わったのでしょうか。65歳以上の年金暮らしを見てみます。また、税額は住民税のみ紹介します。

2.公的年金等控除額の減額

 公的年金等控除額は以下のように減額されました。

前年中の
年金収入
17年度18年度
260万円以下140万円120万円
330万円以下収入金額×25%+75万円<190万円
410万円以下収入金額×25%+37.5万円<140万円
460万円以下収入金額×15%+78.5万円<194万円
770万円以下収入金額×15%+121万円<244万円
770万円超過収入金額× 5%+155.5万円>194万円
820万円以下収入金額× 5%+155.5万円<196.5万円
820万円超過収入金額× 5%+203万円>244万円収入金額× 5%+155.5万円>196.5万円
ちなみに、表の年金額を月額に換算すると次のようになります。 この額が「支給総額」ですから、給与から天引き後の「手取り」とは比較できません。
年金額 月額
260万円 21.7万円
330万円 27.5
410万円 34.2
460万円 38.3
770万円 64.2
820万円 68.3

3.老齢者控除の廃止

 年金1000万円以下の高齢者に適用される老齢者控除48万円が廃止されました。

■ いくらまでが非課税なのか

結局、年金だけで暮らしていて、いくら年金をもらうと課税世帯になるのだろうか。
平成18年度から,65歳以上で前年の合計所得金額が125万円以下(公的年金266.7万円)の人に適用されている非課税措置は廃止された。
単身の場合、公的年金控除120万円+住民税非課税限度35万円=155万円
 二人暮らしで年収38万円以下の老人妻を夫が扶養している場合は、
公的年金控除120万円+基礎控除33万円+配偶者控除38万円+???=225万円???まで。自治体によって異なります。

介護保険料はどうなっているのか 京都市の場合

記事が京都市だから京都市で。

所得段階保険料年額
第一段階本人が生活保護を受給している場合等28,560円
第二段階すべての世帯員が市民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下である場合28,560円
第三段階すべての世帯員が市民税非課税で、第二段階ではない場合42,840円
第四段階本人が市民税非課税で、世帯員の中に市民税(減免前)課税者がいる場合57,120円
京都市の基準額
第五段階
(以降の段階略)
本人が市民税(減免前)課税で、前年の合計所得金額が125万円以下である場合62,832円

生活保護からも保険料を徴収するのにはビックリ。非課税でも「基準額」だから、全くの無収入であれば、世帯の誰かの負担で保険料を払わねばならない。

■ おどろきの国民健康保険料はどうなっているか

京都市国民健康保険の加入者は,489,749人(平成17年3月末現在)

京都市国民健康保険料は,

  1. 「平等割」(1世帯について)…………… 24,460円
  2. 「均等割」(被保険者1人について)…… 36,490円
  3. 「所得割」(世帯の所得に応じて)……… 世帯員各々の「17年中の基礎控除後の総所得金額等」 の合計×10.11/100の3つの合計額になります。 

京都市国保の場合,市府民税非課税世帯が全体の約7割を占めています。
 そこで平成17年度分の保険料から,「所得割」の算定方式がこれまでの市府民税額に応じて計算する方式(市府民税方式)から,所得に応じて計算する方式(所得比例方式)に変えました。また,高齢化等に伴い,今後更に市府民税非課税世帯が増加することが予想されることからも,算定方式を変更して,幅広い層の方に所得に応じた保険料を負担していただくことが必要となりました。
 なお,算定方式の変更により,市府民税非課税世帯であっても,総所得金額が33万円を超える場合は,所得割がかかります。
http://www.city.kyoto.jp/hokenfukushi/hokennenkin/sisan.html

年金額 所得割 合計 月額
120万円 87,957 148,907 12,409
155万円 123,342 184,292 15,358
260万円 229,497 290,447 24,204
330万円 300,267 361,217 30,101
410万円 381,147 442,097 36,841
460万円 431,697 492,647 41,054

非課税独居ならいくら払うの?

わかりやすく120万円の年金だけで暮らしてみようか。65歳独居で。

介護保険料 28,560円だとして、
国保料「平等割」24,460円
国保料「均等割」36,490円
国保料「所得割」87,957円
────────────
合計 177,467円
国保料はhttp://www.city.kyoto.jp/hokenfukushi/hokennenkin/sisan.htmlで試算できる)

ひと月10万円の年金で、毎月14,789円もの保険料を払う。これらを利用した場合の利用料・負担金は別である。

■ 年金はいくらもらえる制度なのか

そんなら、年金はいったいいくらもらえるの?

<受けられる給付>
・老齢基礎年金
 保険料を納めた期間(厚生年金保険・共済組合等の加入期間を含む)と保険料の免除を受けた期間等を合わせて,25年以上ある人が65歳から受けられます。(60歳から65歳になるまでの間に繰上げ請求時点に応じて減額された年金を受けることができます。
 年金額(満額) 792,100円(月額66,008円)
 (保険料納付月数により,年金額は変動します。)
http://www.city.kyoto.jp/hokenfukushi/hokennenkin/kokunen-gaiyou.html

これでも、年間10万円を超える国保料になる。