▼夕張、北海道市町村の財政状態

財政再建夕張市職員、半数が退職へ 中国新聞 1/10 抜粋
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200701100261.html

 財政再建団体になることを決めた北海道夕張市は十日、二○○六年度末までに退職する予定の職員が年度当初の職員数三百九人のほぼ半数に当たる百五十二人に上ることを市議会に報告した。

 給料の平均三割削減や退職金の大幅減額が要因とみられる。二十三人の部長や部次長などの幹部職員も全員が退職する見込みで、行政機能がまひする懸念も出ている。

 類似規模の市町村に比べて二倍の職員がいるとされる夕張市は、再建計画の柱として人件費の大幅な削減のため、○九年度当初までに職員数を半減させる計画で、昨年十二月から勧奨退職の受け付けを始めていた。

一つは、幹部職員が退職というのは、職業選択の自由があるとは言え、この数文字だけを読めば無責任な感じがする。
もう一つは夕張市は類似規模の市町村比で約二倍の職員がいたということに少し驚いた。市が管理運営する施設の多くを廃止したりするのだから職員数は減ってくれなければ困るだろう。「適正」な職員数にしたら俸給を上げてさしあげるのも良いかも知れぬ。

窮迫、北海道市町村

北海道の市町村はどうなっているか

●北海道市町村課 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sk/scs/
 ○北海道内市町村の給与・定員管理の状況 リンク先のエクセルが自己解凍式の圧縮ファイルになっているものあり。
 ○市町村別面積、人口世帯などの状況.xls
 ○平成17年度市町村の財政状況 <Excel形式>
 ○北海道市町村財政比較分析表(平成16年度決算)

などをチラチラ見。
上の「財政状況」から見ると、悪そうな感じの数字はやっぱり夕張市。次に小樽市留萌市が収支が赤字で悪い感じ。

財政状態、職員数など

市町村財政比較分析表は、財政力や人口当たり職員数などで財政状態を分析しているもの。
グラフが感覚的で分かった気にさせる。疑ったり考え出すとキリがないので、素直に状況が分かりやすいと思って良いのだろう。その上でコメントを読めばつらくなる。
夕張市 PDF 確かに職員は二倍
小樽市 PDF 小樽の職員数も負けていない
留萌市 PDF こっちは職員数限界少ない。給料も低い
と見ていくと(ちゃんとは読んでいない)、小樽もヤバイ。


分析コメント一部抜粋
  • 夕張市:炭鉱閉山による他に類例を見ない人口の激減や全国平均を上回る高齢化率(平成16年度末 39.4%)に加え、閉山した炭鉱に代わる産業がないことなどから、財政基盤が弱く、類似団体平均をかなり下回っている。……
  • 小樽市:長引く景気低迷による個人・法人関係の減収、さらには人口減少と全国平均を大きく上回る高齢化(65歳以上の占める割合は約27%(平成16年度末現在))、大型百貨店の撤退等で財政基盤が弱く、類似団体平均を大幅に下回っている。
  • 留萌市:公共事業に依存した経済基盤のため、長引く景気の低迷から市税が著しく減少し、平成12年度対比で約4億円(△15%)もの減収となっている。

その他、「下回」や「高齢化」で市の財政力を見てみる。(町村はもっと数値が極端)

  • 室蘭市:大手企業等による法人税割の増収はあるものの、生活保護費など扶助費が多額なことや高齢化率が高いことなどにより、類似団体の平均を下回っている。
  • 伊達市:長引く景気低迷による個人・法人関係の税収の伸び悩みなどから0.43と類似団体平均を下回っている
  • 深川市:長引く景気低迷や人口の減少などによる個人・法人関係の減収などにより類似団体平均を下回っている。
  • 三笠市:人口減や全国平均を大きく上回る高齢化率(H16末37.4%)に加え、炭鉱閉山の影響により財政基盤が弱く、類似団体平均を下回っている。

砂川市、歌志内市滝川市赤平市、良くないところばかりである。特徴としては給与はずいぶん切り下げて「努力」されている。しかし、「将来負担」が良くない数値のところが多く、未来は明るくなさそうである。

今の「結果」の上に将来があるのだが

リストラしたかしなかったかが、経営の存否の分かれ目だったというのは知っている。知っているが、それはそれまでの放漫経営を排除するものではない。批判・自己批判抜きに、苦しくなったからサヨウナラでは労働者を物件扱いである。
そういう意味では「そごう」の水島社長の方に好感を持つ。

 興銀と長銀がそごうの経営再建を決意して役員を送り込んだ時、水島氏は表向き経営の一線から退いたかのように見せかけ、実際には千葉そごうを頂点とする「水島そごう」グループの代表権を殆ど手放さず、グループ全体の人事権になお大きな影響力を持っていた。そしてリストラを本格的に進めようとする銀行から送り込まれた経営陣に向かって「ワシの目の黒いうちは一人も従業員の首を切らせんぞ」と大見得を切った。

ぼちぼちでんなァ 在日本<2001年5月27日>そごうの憂鬱より。



ただし、「そごうの憂鬱」は次のように続く。

 そうやって、必要最低限のリストラもろくにできないように現経営陣を縛り付けた結果、一人もクビにしないどころかグループ全体を倒産させてしまい、正社員の三分の一が即解雇され、即解雇されなかった人もかなりのタダ働きを強いられてしまったのだ。
 当時のそごうの従業員達は、この水島氏の啖呵を頼もしい思いで聞いていたかも知れないが、結果としてリストラという一時しのぎすらできなかった為に、最悪の事態になってしまったのである。

トホホ。



地方公務員の多寡について、気候も文化も産業も人口構成も違うのであるから、今の「結果」だけを見てその住民たちや団体に対して、公務員が多すぎたとか給与が高すぎたとか、簡単に言うことはできないだろう。
私はまだ、夕張その他の自治体がどういう経過で窮地に陥っているのか、よく知らないので、サービスが切り詰められる住民や給料が下がる職員が気の毒だということくらいしか言うことができない。辞める人たちは辞めた後どうするのかな。



北海道を旅したことがある。美しい。雄大だ。すばらしい。カネとヒマがあれば、何度でも訪れたい。
文学的な結びも思いつかないけれど、がんばって欲しい。今日はここまで。

07/01/12追記
参考:「公僕の一分」はないのか(「エゾ狂人日記」)
http://blog.so-net.ne.jp/ezo-kyoujin/2007-01-10
早期退職の退職金支給額の差が激しいですね。