▼「失われた世代」から「困った世代」へ

内外景気 日本経済 〜「失われた世代」〜

第一生命経済研レポート 2006.8
経済調査部 飯塚 尚己 さん
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/0608_2.pdf
抜粋

安定成長への最後の条件

日本経済が理想的な安定成長局面に入ったかの判断の最後の条件は完全雇用の達成である。景気回復や団塊世代の退職に伴う雇用増加を踏まえると、2007年度には完全雇用に近い状態が実現するとみられる。

重要となる「失われた世代」への対応

2006〜2007年度にかけては多くの日本人が回復を実感できる「全員参加型」に近い景気回復が実現することになろう。 先行きも景気回復から取り残されるグループ ……具体的には、ニート・フリーター化している若年労働者である。若年労働者がニート・フリーター化したのは、経済情勢の観点からは1990年代以降の長期経済低迷が若年層の就職環境を恒常的に悪化させてきたためである。 この先も、就業意欲や就業経験が少ないニート・フリーターは、雇用されにくい状況が続く可能性がある。1990年代以降の「失われた十五年」が生み出した格差が「固定化」されれば、「失われた世代」(the lost generation)となってしまう可能性がある。現状を放置すれば、より深刻な社会問題となるであろう。

2001〜2002年の段階でのニート・フリーターは合計で500万人近い規模である。ニート・フリーター問題の解決は、(労働力を確保し、消費者市場を確保し、少子化に抗するという)経済成長の促進策として取り組む価値が十分ある

働かせて払わせる人口があるのだから何とかしろと。まだ、邪魔者扱いしないだけましな論ですね。でも、なんともしなければ「より深刻な社会問題」となり、「困った世代」になるでしょうね。