▼敗北主義的情勢観の反動イデオロギーへの転化

誰の利害を代表・代弁しているのか。
先の赤木氏の言説が、自らの属する階級・階層ではなく資本の利害を代弁してしまっていることは明らかである。
近視眼的で敗北主義的な情勢観が反動的イデオロギーに転化するのを見るようだ。


それにしても「御用学者」という言葉がピッタリ。ちぎれんばかりに尻尾を振って主人の先を行く犬のようである。

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20061219k0000m020089000c.html

労働市場改革:正社員待遇を非正規社員水準へ 八代氏示す

 経済財政諮問会議の民間メンバーの八代尚宏国際基督教大教授は18日、内閣府労働市場改革などに関するシンポジウムで、正社員と非正規社員格差是正のため正社員の待遇を非正規社員の水準に合わせる方向での検討も必要との認識を示した。

 八代氏は、低成長のうえ、国際競争にさらされた企業が総人件費を抑制している中、非正規社員の待遇を正社員に合わせるだけでは、「同一労働・同一賃金」の達成は困難と指摘。正規、非正規の待遇を双方からすり寄せることが必要との考えを示した。

 また、八代氏は現在の格差問題が規制緩和の結果生じた、との見方を否定し「既得権を持っている大企業の労働者が、(下請け企業の労働者や非正規社員など)弱者をだしにしている面がかなりある」と述べた。

 八代氏は、労働市場流動化のための制度改革「労働ビッグバン」を提唱しており、近く諮問会議の労働市場改革の専門調査会の会長に就任する予定。【尾村洋介】

毎日新聞 2006年12月18日 20時31分

ただし! 資本の手先となってリストラや職場差別を積極的に推進してきた旧同盟系の労働貴族どもに関して「既得権を持っている大企業の労働者が……弱者をだしにしている」というのなら、それに限っては「その通り!」と言おう。そして彼らの卑劣さについて存分に暴露して欲しいものだ。


念のため付言しておくけれど、「下請け企業の労働者や非正規社員など」を「だしにしている」というのは資本の活動であり、資本による搾取や収奪の形態であって、労働者の活動や労働者の既得権とかいうものでは断じてない。八代の説は公務労働者や独占資本に働く労働者に「格差社会」の責任を押し付ける悪質な詭弁である。
こうした資本の活動と、資本に直接・間接に買収された「労使協調労務屋組合員が仲間を差別したり排除したりすることとは別の分野の話である。



参考。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20061219k0000m020089000c.html


やっぱり 12/24追記

先刻、ブクマを何気なく見ていると、以下の記事。
深夜のシマネコBlog 2006年12月20日 ■ 誠実な、あまりに誠実な
権力も影響力もあまりない人たちの意見をいちいち読んで、いちいち突っ込みを入れ始めれば、時間は何時間あっても足らない。そうするには反射するだけでも速読力・速打力が必要だが、そんな力はない。だから赤木氏のBlogにいちいち反応しなくても良い。良いのだが、言及したことがあるので、チラリ見。
やっぱり、この人の言うてることは、「反語」ではなく「確信」に基づくものらしい。
どうしても、近隣の正社員一家が憎らしうて妬ましうてたまらないらしい。

フリーターとは死ぬことと見つけたり。戦争に生きる希望

さらに氏は言う。(日付は前後)
反米嫌日戦線「狼」(一輝まんだら)さんの
健全な近代国家には、若者のデモと暴動が不可欠であるのコメント欄。

 しかし、愛国心民族主義や男尊女卑的な感覚は、少なくとも日本人の男性である私にとって、非常に都合のいい物です。日本人の男性だというだけで、地位が上がるワケですから。
 また、女性や外国人の排除感情が大きければ、彼らが占拠していた仕事という利権にありつける可能性も大きくなります。弱者男性にとっては実に都合がいいのです。
……
 月給30万で、衣食住や諸経費を国が負担してくれるんだったら、俺は喜んで劣化ウラン弾の中に行きますよ。
 戦争が増えればそうした仕事にありつけるかも知れないので、生きる希望がわいてきますね。

それでも、こうした女性や「左翼」の言う「平等」を、「弱者としての日本人男性」を仕事から駆逐し・排除し続けるものして敵視する意見が一定の共感を呼んでいる。(氏の言うておられることはこれだけではないけれど)
http://r.hatena.ne.jp/feed/http://www.journalism.jp/t-akagi/index.xml
共感を呼んでしまう現実的な根拠がある、ということは否定しませんが。