▼不登校は減っていない
不登校の増減と日本の義務教育の課題
Benesse教育研究開発センター 山田剛さん
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8月11日に、文部科学省は平成18年度「学校基本調査」の速報を発表しました。
- 平成17年度間の長期欠席者(30日以上)のうち、「不登校」を理由とする児童生徒数は12万2千人で4年連続して減少(1千人減少)。
- 小学校2万3千人(前年度間より6百人減少。対前年度比2.6パーセント減),中学校10万人(前年度間より5百人減少。対前年度比0.5パーセント減)
しかし、
- 不登校の割合は圧倒的に中学校が高い → 小学校と中学校の合計で見てしまうと、小学校の児童数が6学年と多いので、中学校の変化が見えにくくなる
- 割合で見ると、前年と比べて、小学校はほとんど変化がなく、中学校はやや微増 → 割合がほぼ同じなため、全体の児童生徒数の減少にともない実数が減っている
- 中学校において、1995年ぐらいから2001年にかけて、大幅に不登校の生徒の割合が増え、その後、高い割合のまま改善の兆しが見えない
不登校の原因は複雑ですので、簡単に原因論や解決策を論じることはできません。ここで指摘したいのは、最近の教育の議論がやや学力の面が中心になっていて、国際化や日本の競争力という観点から、やや上位層に関わる学力問題に焦点が行きがちという点です。
自分がどの視点から教育を見ているのか自覚することが大切だと感じました。
不登校児童・生徒割合が低下せずに高止まりであるということ。