▼日本型雇用の分化(長期雇用+成果主義 or +非成果主義)
http://www.jil.go.jp/column/bn/colum060.htm
ニュータイプの日本の雇用システム ―長期雇用と成果主義―副主任研究員 立道 信吾氏
抜粋・要約
主流は長期雇用+成果主義の「 New J 型」
高度経済成長から安定成長の時代を通じて、
- 終身雇用(長期雇用)、
- 年功主義、
- 企業別労働組合
が「日本的雇用慣行」の三種の神器と言われてきた。ところが、 1990 年代後半から……
長期雇用と成果主義という二つの軸によって、日本企業の雇用システムを分類すると、(2004年アンケート)の4タイプとなり、「長期雇用+成果主義」が主流である。
J型(長期雇用+非成果主義) 30% New J型(長期雇用+成果主義) 38% A型(非長期雇用+成果主義) 18% 衰退型(非長期雇用+非成果主義) 12%
J 型と比較したときの New J 移行型企業にみられる特徴を明らかにするために回帰分析を行った結果
- 正社員比率が相対的に低い企業(=非正社員比率の高い企業)、
- 非正社員や外部人材(派遣・請負)を活用してきた企業、
- 差別化戦略(新技術・新製品の開発、競合するサービスや製品との差別化)を重視してきた企業
といった点が明らかになった。
働く人の機会を保障するために
このNew J型企業では、
- 成果主義や長期の教育訓練投資などを通じて資源が集中して投下されるグループと、
- 資源が投下されないグループ
があり、企業内においてはキャリア形成の上での機会(資源)の均等化が困難な状況にある。しかし、このNew J型も日本企業の雇用システムの過渡的な形態であるかもしれず、今後の変化については、継続的な実証研究を通じて明らかにする必要がある。企業の内と外の両面から、全ての働く人の機会を保障できるような社会を今後も模索し続けなければならない。
ということは、New J型企業では、労働者処遇の格差を利用して・格差を「積極的に拡大」とまでは言えなくても固定的に雇用するシステムに転換しており、それが主流になってきているということか。