▼社会の衰退と身体感覚

http://www.mri.co.jp/DATA/D/E/F/club0604.html
http://www.mri.co.jp/REPORT/CLUB/2006/04/20060401_club03.pdf

三菱総研倶楽部 Vol. 3 No. 4 2006. 04
「個」が寄り合う社会へ 上野千鶴子

最近は三菱総研のコラムが楽しくてポツポツ遡及して読んでは記事を紹介しつつ、つっこみつつ。

将来が現在より良くなるという考え方自体が成長期の社会と個人の考え方です。今やったことが将来の投資になるというのは成長期の考え方。成熟期・衰退期の個人と社会の考え方は、それとは違って当然でしょう。
今、私のところにやってくる学生は、思春期以降をデフレスパイラルの時代に過ごしてきた子どもたちです。だから時間に対する感覚が私たちの世代とは違います。高度成長期やバブルを経験した人たちは「時間が経てば今よりも事態は改善される、社会は成長し進歩する」という身体感覚を持っています。高齢者にとっては今のうちにやれることをやっておこうと思うのが自然なように、若者の感覚もまさにこれと同じ。最初から老後に入っているのです。なぜならそれは社会全体が老後に入っているからです。

そうなんだぁ。

昔、ブックカバーの写真を見たときは不気味な感じがした上野氏だったが、ここの写真は普通でした。