▼外国人研修について厚生労働省の考え方……制度は定着//既成事実//規制緩和・拡大の方向へ

外国人労働者の受入れを巡る考え方のとりまとめ」平成18年6月

外国人労働者問題に関するプロジェクトチーム
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/06/h0622-2.html
要約

1.専門的・技術的分野

高度人材については受入れを促進すべきであるが、進んでいない。

  • MBA取得者、コンテンツ人材などは規制を緩和すべき
  • 工業デザイナー、料理人、看護師、介護士等も規制緩和すべき(なされている)
  • 留学生の国内就職の促進(在留資格の緩和・延長)
2.専門的・技術的分野以外

現行入国管理制度では認められていないが、一定の条件の下、分野によっては認めても良い

(2)単純労働者

 単純労働者については、今後も受入れを認めないという基本方針は堅持すべきである。

(3)研修・技能実習制度

 研修・技能実習制度の現状については、次のような問題が指摘されている。

  1. 国際技能協力を目的としているにもかかわらず、特に団体監理型においては、制度の目的を離れ実態として低賃金・単純労働の受入れとなっており、一部において労働基準法違反や人権侵害の問題を生じている。
  2. 対象職種、在留期間が、国内における産業・企業の切実な受入れニーズに十分応えるものとなっていない。
  3. 研修期間中に報酬が支払われないのは不当である。

 他方、同制度については、次のような点で一定の評価がなされている。

  1. 在留管理に係る厳格な仕組みにより、不法就労・不法滞在を防ぎ「3年で帰す」ことが順守されている。
  2. 同制度による技能実習の受入れにより、地域の産業や日本人の雇用が支えられている実態がある。

 このようなことから、研修・技能実習制度について、……制度が定着していることを踏まえ、……必要な制度の見直しを検討していくことが適当である。
 制度の見直しについては、……

  1. 一定の条件のもとでの技能実習制度の導入
  2. 在留期間の延長
  3. 技能実習対象職種の見直し・拡大
  4. 受入れ枠の拡大
  5. 研修と実習の関係の見直し

 このような検討にあたっては、何よりも国内労働市場に悪影響を及ぼさないこと、国内の劣悪な就労を助長することのないようにすること、研修・技能実習制度が定住につながらないようにすること……不法就労、不法滞在をさせないための管理面での仕組みの維持・強化を図ることや、労働基準法違反や人権侵害の問題に迅速かつ的確に対応するための……措置の厳格化を図ることが必要である。
以下、略


査道炯 氏「日本における中国人出稼ぎ労働者と政策課題」で言及されているように、外国人労働者を研修・実習生として受け入れることは、日本の企業にとっては「労基法違反や人権侵害が発生するほどおいしい」ことである。
こんなおいしいことはやめられまへん。
見直しは必要だが、その方向は規制緩和や拡大の方向。ただし、逃げ出す奴等は「措置の厳格化」を図る。つまり業者も監督を強める。逃げ出さないよう・漏れないよう。逃亡の恐れがある者は監禁でもするかな。


大きく譲って「適正」にしようとするなら、労基法違反を漏れなく取り締まれるだけの監督署の充実が求められるはずだし、教育施設も充実させなければね。「措置」だけ強化しても、措置する側もされる側も利害が一致しているのだから意味がない。