▼障害者を自立の名でいじめて、居宅に閉じ込める障害者自立支援法

NHKクローズアップ現代

7月3日(月)放送
“職場”を去る障害者
自立支援法の波紋〜

今年、4月施行された障害者自立支援法が障害者福祉の現場を一変させている。これまで身体、知的、精神によって、バラバラだった障害者施策を一本化し、市町村を福祉の実施主体とすることをうたった自立支援法だが、同時に福祉施設やホームヘルプなどの費用の1割を障害者自身が負担することとなった。作業所や授産施設などでは、障害者の工賃より施設の利用料が上回る逆転現象が頻発し、施設をやめる障害者が相次いでいる。また10月からは福祉サービスの体系が一新され、福祉施設を利用する障害者を一般企業への就労に結びつける支援が強化される。本当に障害者の自立は進むのか、障害者自立支援法が福祉の現場にもたらす波紋を追う。
(NO.2264)

スタジオゲスト : 中島 隆信さん
    (慶應義塾大学教授)

ゲストは『障害者の経済学』の著者でもあり、脳性マヒの(20歳超)の息子をもっているという。

それでも! 施設を出て行く障害者への視線が冷たい! 国谷裕子キャスターは必ずしもいつも庶民的な立場で発言するわけではないと感じているが、その彼女が訴えるように施設を後にするなかまの胸の内を紹介するのに、中島氏は「きびしい」法律であるという以上のことは言わない。むしろいわば「改革の痛みだから仕方がない」というような印象を受ける。


氏の言うところは概ね下記のようである。

http://book.asahi.com/author/TKY200604120251.html

規模は小さくてもいろいろあって選べる、そしてそれぞれが成果を問われるシステムを作った方がいい」

 福祉サービスの自己負担も「お金を出すから、堂々と注文をつけられる。その際、本人が楽しめているかを評価の基準の一つとすべきでしょう」。障害者たちが自らの利益のために行動した結果として、すべての人々が幸せになれるような制度設計をとは、まさに経済学的な提言だ。
障害者の現場に民間の力を導入する仕組みは不十分だ。「民間レベルに任すのなら、寄付税制なども見直さなければバランスがとれません。問題のあるところは淘汰(とうた)されますし、お金の使い方は行政より効率良くなるでしょう」

前著の終章は「障害者は社会を映す鏡」である。
クローズアップ現代では、誇りを持って・健康と生きがいのために・生活のために施設で働いていたのに、自立支援法の利用料が払えず泣く泣く施設を去るなかまたちが放映された。弱いもの・金のないものは働くことすらできないのか。家でじっとしていろと、生活保護ぎりぎりまで着替えも買わずに待っていろというのか。近くに施設や雇用してくれる企業がなければそうせざるを得ないではないか。一体だれが彼等を探知して手を差し伸べてくれるというのか?
げに「障害者は社会を映す鏡」である。
氏の鏡は新自由主義・民営化の垢で効率しか映らないのではあるまいか。
御用学者のようなことしか言わないのなら、いっそ厚生労働省の役人をゲストに招くべきだった。