▼実名報道、親の愛

【PC遠隔操作事件】被疑者の素顔を弁護人に聞く

江川 紹子 | ジャーナリスト 2013年2月19日 22時19分

…PC遠隔操作事件。威力業務妨害容疑で逮捕されたK氏は関与を否認している。…K容疑者の弁護人となったのは、足利事件菅家利和さんの無実を証明するなど、刑事事件の経験豊富な佐藤博史弁護士だ。佐藤弁護士に、2月19日時点での弁護人としての考えや主張を聞いた。

【被疑者の人間像】

−−Kさんは、実際に会っていて、どんな人ですか?
「オタク」だと言われてましたから、そのつもりで会ったら、印象が全然違った。…
−−前の事件の時と姓を変えたのは何故ですか。
彼の名前を検索すると、いつまで経っても事件のことが出てきて、これでは就職できないと気にしたからです。両親が協力し、分籍して彼だけの戸籍を作ったんです。そして、今度こういうことになって、彼は「これからどうやって日本で生きていけばいいんだろう」と悩んでいます。

【報道のあり方】

…(報道機関は警察の言う証拠の検証をしたり、弁護人の主張も報道したらどうか、という江川氏か佐藤氏かの意見)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130219-00023545/

犯罪は犯罪ではあろうが、人をひどく傷つけたわけでもなし、大金をせしめたわけでもない前の犯罪が、反省しても反省してもまだ許してくれないネット社会をして、本人と両親とを苦しめる。苦肉の策で名前を変える。親の悲しみ苦しみを思うと涙ぐんでしまう。


実名で、しかも大写しの写真付きで報道しておいて、K氏が無関係の人だったら報道機関はどうしてくれるのか。疑わしいだけですでに私的な趣味まで併せて晒しものである。そして彼が何かの犯罪者であるとしても、こうした実名報道が彼の更生の何に役立つというのか。
犯罪に関する実名報道のすべてについて、なされるべきではない、とは私も今言い切るだけの考えを持たないし、政治家や上級の公務員の犯罪については実名を知る権利があるようにも思える。
しかし、江川さんの登場しているこの記事も含めて、「これはひどい」のではないか。