▼こんにゃくの危機

http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/data1/070324-000146.html
に関連してメルマガより

 もともと「関税」というのは、国内の地場産業などを保護するためにあるのです。それを下げるということなれば、産業によっては重大な打撃を受けることになります。
 今回、特に問題となっているのは「こんにゃく芋」です。
 私は、「こんにゃく芋の産地はどこですか?」と、群馬県出身の尾身財務大臣に聞きました。大臣は「群馬県であります。特に私の選挙区に集中しております」と答えました。確かに、こんにゃく芋の国内生産の9割が群馬県に集中しているのです。しかも、こんにゃく芋が農産物の生産額の1位〜3位を占めている自治体は、群馬県の3分の1にも及んでいます。
 今度の法案では、1700%の関税率をゼロ%に引き下げ、壊滅的な打撃を与えようとしているのです。農林水産省の試算によれば、このような国境措置の撤廃で、こんにゃく芋の生産の90%が消滅し、その加工業の100%が消滅するのです。――国内のこんにゃく芋は全滅するといっていいでしょう。
 そんなことを平気で実行しようというのは、まったく理解できません。いったい誰のための政治なのでしょうか。
 「こんにゃく芋」を取り上げた途端、I議員(某知事の三男)が「国全体をみなきゃダメなんだよ」とヤジを飛ばしました。しかし、国内のこんにゃく芋が全滅する事実が次々と明らかになるにつれ、ヤジもなくなり、尾身大臣は渋い顔になりました。
 この質問の直後、山本農林水産副大臣にエレベーターでお会いしました。私が「こんにゃく芋は大変なことになりますよ」というと、山本副大臣は、「そうなんだ。しかし、いろいろ議論して、まぁいいだろうということになったんだ」と言い残して、エレベーターを降りていきました。私は、「まぁいいだろう」という一言で、何万人もの人々から職を奪う、こんなことを平然と実行する姿勢に恐ろしさを感じました。

コンニャクはべつに好きではないけれど、これはひどい