▼神秘体験と生きる力

教育再生会議の第7回規範意識・家族・地域教育再生分科会(第2分科会)議事概要
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/2bunka/dai7/7gijiyoushi.pdf

習志野市教育委員会ヒヤリング
 習志野市教委員会は、習志野市教育基本計画を策定し、その教育課題の中で、「豊かな人間性を育む体験学習充実」を掲げて取り組んでいる。集団による自然体験学習は、自立心、思いやりの心、豊かな心を培い、人間関係作りにも役立つと考える。
 富士吉田の青年の家は、平成13 年度から、中学2年生全員を対象に2泊3日の宿泊体験を実施。富士登山、樹海散策や飯盒炊さん、冬にはスキー教室など各学校の実態に合わせたプログラムを開催している。
 取組成果としては、自然の美しさ、神秘性、厳しさに触れ、規律、協働、友愛、奉仕の精神を大切に宿泊体験、自然体験を行う事で、自分に自信を持つようになり、思いやりの心や生きる力にもつながっている。

と神秘体験を含めて称揚している。
具体的に、教育実践報告などがあるかどうか、少し探しただけではわからない。
再生会議と第一次報告に対して提灯持ちのヒヤリングのようである。
いったい、どういう教育理論で自然の神秘性が訓育や陶冶に必要なのか説明してもらいたいものである。


習志野市教育基本計画 H13年10月
http://www.city.narashino.chiba.jp/siyakusyo/kyouiku/kihonkeikaku.html

目次
http://www.city.narashino.chiba.jp/siyakusyo/kyouiku/pdf/nemp01.pdf

基本理念
http://www.city.narashino.chiba.jp/siyakusyo/kyouiku/pdf/nemp02.pdf

基 本 理 念
(2) 基本目標の視点
1) 生き生きと学び、知恵と創造性に富む人づくり

 これまでのわが国の教育は、教育の機会均等や国民全体の高い教育水準を実現した点において、世界的に高い評価を得ています。しかし、その一方で、教育がとかく画一的で知識の詰め込みになっており、個性を尊重し、創造性や優れた能力を伸ばすことについて必ずしも十分な配慮がされていない、との反省がされています。 さらに、最近の子どもたちは、物事に対するみずみずしい好奇心や学習への興味・関心を失いつつあるのではないかとの指摘や「学びからの逃走」が問題視されるようになっています。
 今後、わが国が、社会の活力を高めていくためには、一人一人の個性や能力などの優れた面をしっかりと伸ばすとともに、 生涯を通じて学ぶ姿勢を持ち、新しい時代や社会の変化のなかで創造性を発揮して、 たくましく生きていくことのできる人材を育成することが重要となります。また、確実に到来する高齢化社会に備え、一人一人が自立し、互いに助け合いながら生きがいを持って生きていくことができる力を養うことが求められています。
 そこで、学校においては、生きて働く基礎的・基本的な知識や技能を確実に習得させるとともに、その基礎のうえに、子どもたちの優れた資質や能力を最大限伸ばす教育の実現に努めます。画一的で知識の詰め込みになっているといわれていた学校教育を改善し、ゆとり・活力・魅力があり、一人一人の個性を尊重した、知恵と創造性を伸ばす学校づくりを推進します。子どもたちが夢や希望を育み、その実現に向けて意欲を持って主体的に学んでいくことができるよう、家庭、地域との相互理解や信頼関係を築き、「地域の風がいきかう学校」づくりを進めます。……

詰め込み教育で個性を圧殺してきたのだと。それで学習意欲も低下してきていると。
高齢化社会社会保障が脆弱になることを見越した「自立と相互扶助に生きがいを持つ」人間の育成が必要なのだと。



http://www.city.narashino.chiba.jp/siyakusyo/kyouiku/pdf/nemp04.pdf
PDF 9ページ

(2) 豊かな心を育てる「心の教育」の推進 【重点プロジェクト 2】
【現状と課題】
●子どもたちをとりまく状況が著しく変化するなか、生命を尊重する心、他者への思いやりや社会性、倫理観や正義感、美しいものや自然に感動する心といった「生きる力」の核となる豊かな人間性を育む「心の教育」の充実が重要な課題になっており、学校、家庭、地域社会が一体となって取り組むことが大切です。
文部科学省の調査によると、生活体験、自然体験が豊富な子どもほど、道徳観・正義感が充実している傾向があることが明らかになりました。習志野の子どもたちは、自然体験、生活体験が不足しており、学校や地域社会が意図的にその機会を提供していくことが求められています。


PDF 10ページ

【施策の展開】
1) 豊かな体験活動の充実
① 自然体験学習の充実

 大自然の中での仲間との集団活動において、子どもたちは自然の美しさ、神秘性、厳しさに触れ、感動や驚きを覚えます。また、友達への思いやり、自律性、協調性、忍耐力、社会性などが豊かに養われます。そこで、……自然体験学習の一層の充実に努めます。

② ボランティア活動の推進
 進んで人々や社会のために貢献しようとする心や態度を養うため、「ごみゼロ運動」への全校の参加や社会福祉施設の訪問等を通して、地域に根ざしたボランティア活動など体験的実践的な学習を計画的に推進します。

http://www.city.narashino.chiba.jp/siyakusyo/kyouiku/pdf/nemp05.pdf
PDF 4ページ

2 家庭教育の支援充実
【現状と課題】
●家庭教育は、基本的な生活習慣や倫理観、自制心、自立心など「生きる力」の基礎的な資質や能力を育成するものであり、すべての教育の出発点です。しかし、近年の都市化、核家族化、少子化、地縁的なつながりの希薄化など家族や家庭をとりまく社会状況の変化のなかで、家庭の教育力の低下が指摘されています。

●平成14 年度からはじまる学校完全週5日制の実施は、子どもに豊かな体験をさせるなど、家庭でなければできない教育をしっかりすることを目的の一つにしています。……

PDF 6ページ

3 青少年の健全育成の推進
【現状と課題】
●心身の調和のとれた青少年の成長には、異年齢の仲間による活動や交流、さまざまな体験などが必要です。そのため、地域において多様な自然体験や社会体験などを行う機会を意図的・計画的に提供していくことにより、子どもたちに「生きる力」を育んでいくことが重要です。
……
●学校完全週5日制の趣旨を踏まえ、休日における青少年の学校外活動の充実が求められています。そのため、体験活動に関する豊富な情報の提供や相談窓口の充実が必要です。近年、地域で青少年を育てる気運が薄れており、地域の子どもは地域で育てる体制づくりとその意識を高めることが求められています。そのため、青少年健全育成団体の活性化等、地域の教育力の向上が必要です。

個性を圧殺して詰め込み教育をしてきたためメタボリック症候群のようになっちゃった、ということなら、「ゆとり」とか「公共の精神の大切さ」とか、教育基本法の改正の意義とかは、習志野市ではどのように説明しているのだろうか。それぞれ別のことなんだろうな。