▼資料 「希望の国」の姿 by 御手洗経団連会長

希望の国、日本」の実現に向けて
〜毎日21世紀フォーラムにおける御手洗会長講演〜
2007/02/01
http://www.keidanren.or.jp/japanese/speech/20070201.html

  1. 「精神面を含め、より豊かな生活」、
  2. 「開かれた機会、公正な競争に支えられた社会」、
  3. 「世界から尊敬され、親しみを持たれる国」


抜粋に基づく要約

「精神面を含め、より豊かな生活」

社会を発展させていく上で認められる格差と、社会にとって解消すべき格差をまずはしっかりと整理することが重要である。
フリーターやニートなど、若年層の雇用問題は、経済が十分な成長を遂げられなかったことに起因しているのです。フリーターと呼ばれる層が大きく増えたのは、90年代に入ってバブルが崩壊して以降のことです。逆に、民間主導で景気が着実に回復する中で、2004年度以降は徐々にではありますが、フリーターの数は減少に転じております。
また、若年層の雇用が、氷河期と呼ばれるまでに厳しくなりましたのも、90年代後半以降に経済が大きく失速したからです。
望ましくない格差を解消し、社会の中に不要な亀裂を生じさせないためにも、経済を失速させたり、ましてやデフレに再び後戻りさせたりするようなことがあってはならないのです。

「開かれた機会、公正な競争に支えられた社会」

ひと言で申しますと、「結果の平等」から「機会の平等」へという基本的な考え方の転換であります。
福沢諭吉は「学問のすすめ」を著しました。その中に、……「天は人の上に人を作らずと言われるけれども、現実の社会をみるとどうか。立派な人もいれば、そうでない人もいる、賢い人もいれば、そうでない人もいる。なぜ、このような違いが生じるかといえば、努力して学問をおさめたかどうかによる」と、こう続くのであります。

「世界から尊敬され、親しみを持たれる国」

世界から尊敬されるというからには、まずはその国自身が大いに繁栄し、国際社会における存在感を強めていかなければなりません。90年代以降の10何年かのように、世界の国々が早いスピードで発展し続ける中で、十分な成長を遂げられないというようなことでは、日本は世界からの尊敬を受けるどころか、極東の片隅に置かれた周辺国の一つに転落しかねないのであります。
第一の柱である「確かな成長」と、第二の柱である「開かれた機会」を実現していくことが、結果として、世界から尊敬され、親しみを持たれることにつながるだろうと考えるのであります。