▼教育基本法改定と教育再生会議

教育再生会議の設置について 平成18年10月10日 閣 議 決 定
21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を図っていくため、教育の基本にさかのぼった改革を推進する必要がある。このため、内閣に「教育再生会議」を設置する。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/konkyo.html

こうして、教育基本法が改定される前に設置されたこの会議において、新旧の基本法に関する国会論戦や「改正」の是非について意見が交わされることがあったろうか。
議事録を見る限り、はじめから旧教育基本法は問題外であって、彼らには遵法の態度がないのだとしか思えない。

何が憎いって、「教育基本法」ほど憎いものはない

教育再生会議 第1回議事録 日時:平成1 8年10月18日
○ 中嶋委員 1 つは、教育基本法、これは実は中教審でも私、審議させていただきましたので、是非早急にこの教育基本法をきちんとしていただきたい。……是非早く実現することが日本の教育再生の根本だと思います。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/dai1/1gijiroku.pdf

第1回 教育再生会議 議事要旨 日時:平成18年10月18日
中嶋嶺雄委員)
私のいる国際教養大学は60%が外国人であり、すべて英語で授業、年に2回入学式をしている。……
教育基本法をぜひ早急にきちんとしてほしい。「他国を尊重」の文言を少し手直しし、早急に成立させてほしい。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/dai1/1gijiyoushi.pdf

秋田県の名誉のために「議事録」から引用する。

○ 中嶋委員 ありがとうございます。国際教養大学という、秋田につくりました公立大学法人なんですが、副学長は外国人ですし、教員の6 0% は外国人で、すべての授業を英語でやっております。

学生の60%ではなく、教員の60%である。

第1回 教育再生会議 第3分科会 議事要旨 日 時:平成18年11月27日
(山谷総理大臣補佐官)
人づくりや教育改革の方向性等については、教育改革国民会議の資料にかなり詳しく書いてあるが、実現できないままのことが多くある。しかし、これを受けて教育基本法改正という具体的な議論に入ることができた。また規制改革・民間開放推進会議で議論をして閣議決定したものが何点かあるので配布させていただこうと考えている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/3bunka/dai1/1gijiyoushi.pdf

第3回 学校再生分科会(第1分科会)議事要旨
日 時:平成18年12月8日
(門川委員)教育基本法改正案で教育振興基本計画の策定も掲げられている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/1bunka/dai3/3gijiyoushi.pdf

第2回 教育再生分科会 議事要旨(第3分科会)
日 時:平成18年12月9日
(門川委員)家庭、地域ということも教育基本法改正案で言及されている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/3bunka/dai2/2gijiyoushi.pdf


第4回 教育再生会議 議事要旨 日 時:平成18年12月21日(教育基本法改定成立後)
(川勝委員)
第3分科会は教育再生の理念とその方向性。理念については改正教育基本法に述べられていることに尽き、あえて屋上屋を加える必要は無い。
(伊吹文部科学大臣
教育基本法が約60年ぶりに改正された。この教育基本法の理念と皆様からのご意見を基に安倍総理が決断していく、そのためにこの会議をお願いしているという理解でいいと思う
安倍内閣総理大臣)
先の国会において、59年ぶりに教育基本法が改正された。新しい教育再生に向かっての理念と原則が確立された、いわば礎ができた。これから教育再生はスタートしていくことになる。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/dai4/4gijiyoushi.pdf

いかに、いかに「改正」前の教育基本法が憎かったか、その憎しみの上に「再生会議」が「教育基本法」殺害を前提にして設置されていたことが堂々・清々と吐露されているのである。