▼質問と言うより評論。可也。

すべからく「他人事」

【記者手帳】首相の辞任会見に思う '08/9/2

 「総理の会見は国民には『人ごと』のように聞こえる。この辞任会見も」。一日夜、福田康夫首相の辞任会見で、そんな質問をぶつけた。首相は「私は自分を客観的に見ることができる。あなたとは違う」と気色ばんだ。生意気な質問だという指摘を受けるかもしれないが、あえて聞いておきたかった。

 昨年十月、米民主党オバマ上院議員が大統領候補指名を争う中、「米国は核兵器のない世界を追求する」と発言した。首相はどう感じたか、夕方の「ぶらさがり会見」で尋ねた。返答は次のようなものだった。

 「そりゃ、そういう世界が実現すれば、それにこしたことはないと思います。まあ、いずれにしてもですね、核兵器保有する、その競争をするような世界では、あまりよくないと思いますけどね」。被爆国の首相の言葉としては、あまりに物足らなく感じた。

 福田首相は確かに自身の置かれた状況を客観視し、慎重に発言する人だと思う。しかし、それだけでは務まらないのが首相の重責だろう。国民に自身の明確な意思を伝える必要に常に迫られている。辞任会見を聞きながら過去の取材経験がよみがえり、どうしても聞かずにはおれなかった。(東京支社・道面雅量

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200809020385.html

福田首相の答弁は、燃料費の値上がりにしても、食料品の値上がりにしても、国民生活に関することはほんとうに「他人事」(ひとごと:こう書くのが正しいのでは?)のようだった。私もそう思う。
たとえば、年金不明問題で、何万件も不明年金があるとわかっても「公約違反ってそんなおおげさな」などという発言は、責任者というより傍観者的な感覚だろう。

対米追従だけが「わが事のように」

「議論のしようがない」と繰り返して、答弁能力のなさをさらしながらも、わが事のように熱心に追求したのはイラク派兵・インド洋給油事業だけ。「どうしてわかって頂けけませんか?」と繰り返し繰り返し、「大切だ」「重要だ」と述べたのは国民生活の問題ではなかった。

質問というより評論

「他人事ですね、あんたの言いようは」というのは、質問と言うより評論だが、福田氏の芯を突いたのだろう。「GJ!」と言いたい。


追記:
http://jp.youtube.com/watch?v=VNP_HFfL30M
YouTube でその質問を観ると、迫力ねぇなぁ。もっと責任というものをどう考えてんのか、っていうような追究をしてほしかった。GJ はちょっと取り消し。