▼責任あいまいにするな 河野衆院議長の追悼の辞要旨

 河野洋平衆院議長の追悼の辞要旨は次の通り。
 軍民の別を問わず、また内外の別を問わず、戦火に倒れたすべての方々の御霊(みたま)に哀悼の言葉を申し上げる。
 故吉田満氏は「戦艦大和ノ最期」で、死地に向かう若き将校たちの対話を紹介、その中で臼淵磐大尉は「負ケテ目覚メルコトガ最上ノ道ダ」「俺タチハソノ先導ニナルノダ」と語っている。
 私は、新生日本の「目覚め」を信じ、そのさきがけとなることを願って犠牲を受け入れた若い有為な人材たちに思いをはせるとき、戦争を主導した当時の指導者たちの責任をあいまいにしてはならないと思う。
 現在も世界には戦火が絶えない。私は北朝鮮政府に対し、対話の枠組みに復帰し国際協調の道を歩むことを強く望む。イスラエル政府に対し、またヒズボラハマスに対し、暴力の行使を停止して和平実現に取り組むことを求める。
 世界平和実現への道のりはいまだ日暮れて道遠しの感すらする。私はここに、世界の平和とわが国の繁栄を実現すべく、引き続き誠心誠意力を尽くすことを誓う。(2006/08/15 共同通信

ともかくも「戦争責任」ということを、与党に身を置きながら口にするという人が少ないように感ずる。その「感じ」からすれば、三権の長の一人たる河野議長の発言は記録されて良いと思う。